プレスリリース

2014年12月19日

銅合金線魚網を用いたギンザケ養殖の支援プロジェクトに参画

三菱伸銅は、このたび宮城県南三陸町におけるギンザケ養殖の支援プロジェクトについて、独自開発の魚網用銅合金線「UR30ST」の提供を通じて、日本銅センターおよびICA※1(国際銅協会)とともに参画しましたのでお知らせいたします。

宮城県震災復興事業の一環である本プロジェクトでは、宮城県南三陸町に所在する宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉のギンザケ部会が主体となり、魚網用銅合金線の防汚性を活用した、効率的かつ長期継続可能なギンザケ養殖システムの確立を目指しております。
本プロジェクトにおいて、当社は魚網用銅合金線を、日本銅センターおよびICAは資金およびノウハウを、提供いたします。

国際連合食糧農業機関(FAO)の「2012年世界漁業・養殖業白書」によると、世界の天然魚年間漁獲量は、約10年前にピークを迎えた後、海洋資源の枯渇や各種規制により若干減少し、現在約9千万トンで推移していますが、養殖魚の年間生産量は1990年ごろから増え続け、現在約6千万トンと全漁獲量の4割までに拡大しています。世界人口の増加が予想される中、安定的な食料の確保には、持続的発展が可能な養殖魚生産の拡大が不可欠であります。
当社が魚網用に開発した銅合金線「UR30ST」は、銅の持つ抗菌力により藻・貝類の付着を低減する防汚性を有するため、藻類などが引き起こす網の目詰まりによる酸欠や、ブリ類で問題となるハダムシの発生を抑え、養殖魚の成長を促します。また、魚網への防汚剤塗布や、養殖魚への抗生物質の使用が抑制できるなど、より自然に近い環境で養殖が行えます。
さらに、「UR30ST」は優れた強度と耐食性・耐久性を備えているため破れに強く、特に海外ではトドなどに網を食い破られ、養殖魚が逃亡する問題の解消に寄与しています。

「UR30ST」は、日本国内はもとより、オーストラリア、チリ、中国において、すでに400基以上の養殖用魚網として採用されており、国内外のお客様から高い評価をいただいております。
なお、ギンザケ部会は、本プロジェクトにおいて「環境に負荷を与えず、地域社会に配慮した責任ある養殖事業者」にあたえられる、ASC※2(水産養殖管理協議会)の認証取得を目指しており、銅の特性を活かした、魚や環境に優しいギンザケ養殖システムが国際的機関から評価されることを期待しています。

三菱伸銅は、三菱マテリアルグループの企業理念である「人と社会と地球のために」のもと、本プロジェクトへの参画を通じて震災復興に貢献し、今後も独自の銅合金技術により、銅の優れた防汚性を活かした製品の開発・製造を進めることで世界に貢献してまいります。

【用語解説】

※1...... ICA(International Copper Association)
世界の主要な銅鉱山、製錬会社及び銅加工会社、総勢38社が会員となり、銅の新用途開発、需要促進を目的に1989年に設立された。本部はニューヨークで、日本を含む24ヶ国の銅センターと連携している。

※2......ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)の認証制度
ASCは、この認証制度の管理運営とラベリングを行うため、WWF(世界自然保護基金)とオランダの持続可能な貿易を推進する団体IDH(Dutch Sustainable Trade Initiative)の支援のもと、2010年に設立された。
自然資源の持続可能な利用を補いながら、養殖そのものが及ぼす環境への負荷を軽減し、これらに配慮した養殖業に携わる地域の人々の暮らしを支えるものに認証を与えられる。

写真①:UR30STを用いた魚網
写真②:一般的な化学繊維線の魚網
写真③:UR30STを用いて組み立てたいけす

<お問い合わせ先>
開発営業グループ 03-5449-2588

このページの先頭へ戻る

このページの先頭へ戻る